2011年7月27日水曜日

RERFのするべき事


長崎市山里小学校「あの子らの碑」

正しく知って正しく恐れる・・・・それが何より大切と言うことはわかっているけれど、いったい何が正しいのかそこがわからないから困った物です。

福島第一原発の事故で放射能が拡散していることは紛れもない事実です。でも、放射能そのものの影響の度合いがよくわかりません。放射能が人体に与える害についての臨床的データのうち、私たちが知ることが出来るものが果たしてすべてのデータなのかどうかもわかりません。核実験を何度も繰り返してきた国々ではきっと人体への影響も実験データとして集めているでしょうが、それを公にするはずもありません。核分裂の当初の使用目的が殺戮兵器であることが真実を覆い隠す厚いベールとなってしまっています。

原子爆弾を落とされた日本では、昭和21年に米軍がその人体への影響を調べるための機関を広島に設置しました。治療機関でなく調査機関であるABCC(Atomic Bomb Casualty Commission 原爆傷害調査委員会)というその機関は翌年には長崎にも置かれ被爆者は放射線影響のデータ収集として利用されたのでした。その後昭和50年に運営を日本政府が引き継ぎ、放射線影響研究所(RERF)として今でも調査は継続して行われています。

先日福島県の県民健康管理調査検討委員会が、福島の原発事故当時に0~18歳だった福島県全域の約36万人に対し、生涯にわたって甲状腺検査をすることを発表しました。子供達の健康に影響するような被曝が示唆されるこの発表には胸がズキンと痛みました。今後おそらく、3番目の放射線影響研究所が福島にも置かれることでしょう。

もうすぐ66回目の原爆祈念日がやってきます。
「過ちは繰り返しません」 と誓い続けた66年目にこんな事が起こるなんて・・・

何のための66年のデータ収集だったのでしょう。少なくとも米軍から日本が引き継いで行った後のデータ収集は今後の放射線被害を広げないために役立てられなければ・・・
日本政府が福島に真っ先に置くべき機関は被曝後の調査検討委員会ではなく、子供達を被曝から守るために力を尽くす機関であるべきだと思うのですが・・・

2011年7月20日水曜日

原発特攻隊

開聞岳
女子サッカーのワールドカップドイツ大会で日本が優勝するという素晴らしい出来事がありました。サッカー好きの私は準決勝、決勝と朝の3時過ぎから起き出してその嬉しい瞬間を共有することができました。男子にまったくひけを取らない素晴らしい試合展開で、本当に見応えのある試合でした。
今までの私だったらこんな出来事の後しばらくは浮かれ気分で周囲の人とサッカー談議に花を咲かせていたのですが、今回はやはりいつもと違った感じです。

今、ツイッターで福島第一原発の事故現場で働いている人二人の男性のツイートを追っています。正式な発表とは違った生の声を読んでいると、私たちが決して忘れてはいけない別の世界がそこに今現実にあることを痛感させられます。そのうちの一人、ツイッターではTSと名乗る人が「自分は特攻隊のつもりでいます。」とつぶやいてらっしゃいました。
確かに原発の事故現場は戦場そのものなのでしょう。そしてメルトダウンした核燃料の間近で、高い放射線を浴びながら、被曝の恐怖と戦いながら、身を投げて毎日現場に通って作業をしている彼らはまさにこの国を守るために特攻機で米軍艦隊に突っ込んで行った特攻隊の若者と並ぶ勇者なのかもしれません。

大和撫子は華やかに花を咲かせましたが、見えない場所では日本男児が汗を流してこの国を守ろうとしています。

TSさんがこの歌を聴くと思いが重なって泣けてくるとおっしゃっています。
長渕剛の「close your eyes」 
原発事故の作業現場を思い浮かべながら聴いてみてください。

どうか作業員の方の健康が損なわれることが無いように 祈ってやみません。