長崎市山里小学校「あの子らの碑」 |
正しく知って正しく恐れる・・・・それが何より大切と言うことはわかっているけれど、いったい何が正しいのかそこがわからないから困った物です。
福島第一原発の事故で放射能が拡散していることは紛れもない事実です。でも、放射能そのものの影響の度合いがよくわかりません。放射能が人体に与える害についての臨床的データのうち、私たちが知ることが出来るものが果たしてすべてのデータなのかどうかもわかりません。核実験を何度も繰り返してきた国々ではきっと人体への影響も実験データとして集めているでしょうが、それを公にするはずもありません。核分裂の当初の使用目的が殺戮兵器であることが真実を覆い隠す厚いベールとなってしまっています。
原子爆弾を落とされた日本では、昭和21年に米軍がその人体への影響を調べるための機関を広島に設置しました。治療機関でなく調査機関であるABCC(Atomic Bomb Casualty Commission 原爆傷害調査委員会)というその機関は翌年には長崎にも置かれ被爆者は放射線影響のデータ収集として利用されたのでした。その後昭和50年に運営を日本政府が引き継ぎ、放射線影響研究所(RERF)として今でも調査は継続して行われています。
先日福島県の県民健康管理調査検討委員会が、福島の原発事故当時に0~18歳だった福島県全域の約36万人に対し、生涯にわたって甲状腺検査をすることを発表しました。子供達の健康に影響するような被曝が示唆されるこの発表には胸がズキンと痛みました。今後おそらく、3番目の放射線影響研究所が福島にも置かれることでしょう。
もうすぐ66回目の原爆祈念日がやってきます。
「過ちは繰り返しません」 と誓い続けた66年目にこんな事が起こるなんて・・・
何のための66年のデータ収集だったのでしょう。少なくとも米軍から日本が引き継いで行った後のデータ収集は今後の放射線被害を広げないために役立てられなければ・・・
日本政府が福島に真っ先に置くべき機関は被曝後の調査検討委員会ではなく、子供達を被曝から守るために力を尽くす機関であるべきだと思うのですが・・・